春の霞む月(5)

春月
あかずのみ花の匂ひもふかき夜の雲井にかすむ春の夜の月
藤原為家・為家卿集・早卒百首四月当日詠之・656)

 

飽きることのないほどに花の香りも深い夜の、雲の彼方に霞む春の夜の月だなぁ

 

>「雲井に霞む」にぐっと来ました。

 

和歌引用

山本啓介・佐藤智広・石澤一志(2014)『和歌文学大系64為家卿集/瓊玉和歌集/伏見院御集』明治書院