春の霞む月(6)

花の(した)にて月を見てよみける
雲にまがふ花の下にて(ながむ)れば(おぼろ)に月はゆるなりけり
西行山家集・春・90)

 

 雲に見紛う花の下から眺めると、月は朧げに霞んで見えるものだなぁ

 

 >これまでと少し違う趣。

 >夜、見上げた桜は雲にも見えたし、大福にも見えた。

 

和歌引用

西澤美仁・宇津木言行・久保田淳(2003)『和歌文学大系21山家集・聞書集・残集』明治書院