長い夢

少なくともこの1年くらい、毎日がどうも自分の人生じゃないような感じがしています*1

自分の身に起こっているあらゆることが、まるでもっともっと遠くで起きていて、それをぼんやりと眺めているような感覚がするのです。

そう、長い夢を見ているような。

そして、ずっと、「長い夢だったらいいのに」と思ってきました。目が覚めたら、さまざまなことが今よりももっとましで、美しくて、色鮮やかで、わたしは心から笑えているんじゃないかと何となくそんなことを願っていたのです。

 

でも、

「(今のこの日々が)長い夢だったら悲しいよ」と言ってくれる人と出会いました。

それはとてもうれしく、同時にとても不思議なことでした。こんなどうしようもないわたしのいるこの世界に対して「夢じゃありませんように」と願ってくれる人がいるのです。それだけでわたしはとても強く護られ、確かに救われているのです。

しかしそれでも、

わたしはそれでもまだ、この毎日を自分の人生だと思えずにいます。なぜなのでしょうか。ずっとふわふわと浮かんでいるようなこの感じは、一体、なんなのでしょうか。

 

これは本当にわたしの人生なのでしょうか。本当のわたしはどこかでもう消えているのではないでしょうか。本当のわたしの人生を取り戻せる日は来るのでしょうか*2

 

夕暮れの窓の外を眺めながら、ぼんやりとそんなことを考えています。

 

*1:この言い回しは村上春樹国境の南、太陽の西』を意識したものですが、ハジメくんの抱いていた気持ちとは異なるものだろうということは分かっています。

*2:国境の南、太陽の西』で言えば、果たしてラストシーンのハジメくんは「これが自分の人生だ」と思えていたのでしょうか?