「過去の悲しみ」

 

数か月前に「とあること」が起こり、それからそのことを受け止められない日々が続いていました。わたしは一体、何時間泣いたでしょうか、何リットルの涙を流したでしょうか。そのくらい悲しい出来事でした。

心の真ん中からずっと血が流れているような感覚とでも言えばよいでしょうか。そういう感覚がずっと続いていました。

 

頭では分かっているんです。こんな風に泣いているべきではないと。こんな風に考えていても仕方ないのだと。

でも、血を止める術を知らなかったんです。いや、正しくはまだ血を止めたくなかったんです。その「とあること」に関してもっと悲しみ、もっと苦しんでいるべきだと自分に対して思っていたんです。

 

けれど、そうやって自分を傷つけ続けるのがもうつらくて、血を止めようとすることにしました。

今はその途中です。

正直、かなり心は楽になりました。それで初めて、自分がどれほど深く傷ついていたのかに気づきました。

「とあること」によってもたらされていた悲しみが、「今の悲しみ」ではなく、「過去の悲しみ」になりつつあるのだと感じています。それは少し寂しいことでもありますが、確実にわたしを光のほうへと導いてくれているように思えます。