2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「-がほ」を含む歌(1)

立ち替る春を知れとも見せがほに年を隔つる霞成けり (西行・山家集・春・4) 「季節が移り変わり、春が訪れることを知りなさい」とでも言いたそう(見せたそう)に、年を隔てて立っている霞であることよ >命令表現も含まれている。 >新しいテーマは「-が…

カタバミさん

カタバミさん なんとなく「さん」付けせずにはいられないような、この気持ち。

春の霞む月(7)

うちなびく春を近みかぬばたまの今夜の月夜霞みたるらむ 右の一首、大蔵大輔甘南備伊香真人 (甘南備伊香真人・萬葉集・巻二十・4489) 春が近いからだろうか、今夜の月は霞んでいるなぁ >枕詞「うちなびく」、「ぬばたまの」 >「ミ語法+か」もアツいか~…

命令表現を含む歌(12)

あらたまの年行き反り春立たばまづ我がやどにうぐひすは鳴け 右の一首、右中弁大伴宿禰家持 (大伴家持・萬葉集・巻二十・4490) 年が改まって春になったら、まず私の家の庭に、うぐいすよ鳴いておくれ >そろそろ次のテーマを導入しますよ… 和歌引用 小島憲…

命令表現を含む歌(11)

返し 頼めおかむたゞさばかりを契にて憂き世の中の夢になしてよ (藤原定家朝臣母・長秋詠藻・中・321) 約束しましょう。ただそればかりを契りとして、あなたの嘆きはつらいこの世の夢と思って下さい >新古今和歌集・恋三 >命令表現を含む歌(10)「よし…

命令表現を含む歌(10)

つれなくのみ見えける女に遣はしける よしさらば後の世とだに頼めおけ辛さにたへぬ身ともこそなれ (俊成・長秋詠藻・中・320) それならばせめて後世で、と約束して下さい。あなたの冷たさに耐えられないで死ぬ身になってしまうと困りますから >新古今和歌…

命令表現を含む歌(9)

摂政太政大臣家百首歌合せつしやうだいじやうだいじんのいへのひやくしゆのうたあはせに、契恋ちぎルこひの心を ただ頼たのめたとへば人のいつはりを重かさねてこそはまたも恨みめ (前大僧正慈円・新古今和歌集・巻第十三・恋歌三・1223) ただ信頼しなさい…

命令表現を含む歌(8)

桜さくらの花散ちれば 待まてといふに散ちらでしとまるものならばなににゝ桜さくらを思おもひまさまし (素性・素性集・10) 「待て」と言うと散らないでとどまるものならば、どうして桜をますます想うことがあろうか >古今和歌集・春歌下(読み人知らず)…

命令表現を含む歌(7)

東風こち吹かばにほひおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな (菅原道真・大鏡・左大臣時平) 春の東風が吹いたらその香りを風に託して送ってくれ、梅の花よ、主人がいなくなったといって春を忘れるな >拾遺和歌集・雑春 >命令とか禁止とか、どう扱おう…

シラー・ペルビアナ

シラー・ペルビアナ 日本名は「オオツルボ(大蔓穂)」だそうです。 道端での圧倒的存在感。 そういうのも好き。 2020/04/22 追記 このブログを書いた後、眠る前にふと「ヒステリア・シベリアナ」のことを思い出しました。 村上春樹の『国境の南、太陽の西』…

命令表現を含む歌(6)

返し あだなりと何かは嘆く色深くのどけき春の形見とを見よ (宰相中将・風葉和歌集・巻第二・春下・90) 「はかない」とどうして嘆く必要がありましょうか、色深くのどかな春の形見として(桜の花を)見て下さい >以下の歌への返し 男の、桜を一枝おこせて…

命令表現を含む歌(5)

寛平御時くわんぴやうのおほんとき后きさいの宮みやの歌合うたあはせの歌 声たえず鳴けや鶯ひととせにふたたびとだに来くべき春かは (藤原興風・古今和歌集・巻第二・春歌下・131) 声を絶やさずに鳴け、鶯よ、一年にせめてもう一度さえ来る春であろうか >…

命令表現を含む歌(4)

遠江守為憲罷下りけるにある所より扇つかはしけるに読る わかれてのよとせの春のはる毎に花の都をおもひおこせよ (藤原道信朝臣・後拾遺和歌集・巻第八・別) 別れてからの4年の(任期の)間の春の、その春が来るたびに花の都を思い出して下さい >春の別離…

トウダイグサ

トウダイグサ 色合いがいかにも春めいている。 穏やかだけど存在感のある感じ。

命令表現を含む歌(3)

家いへの桜さくらの散ちりて水みづに流ながるゝをよめる こゝに来こぬ人も見みよとて桜花さくらばな水の心にまかせてぞやる (大江嘉言・後拾遺和歌集・巻第二・春下・145) ここに来ない人も見よ、と桜花を水の流れにまかせて流すのだ >毎日何かしら投稿す…

ネモフィラ・マクラータ

ネモフィラ・マクラータ かわいい。 お花の写真が溜まっていく。 良い季節。

命令表現を含む歌(2)

東山ひがしやまに花見にまかり侍るとて、これかれ誘ひけるを、さしあふことありて留とどまりて申し遣はしける 身はとめつ心は送る山桜風のたよりに思ひおこせよ (安法法師・新古今和歌集・巻第十六・雑歌上・1472) 我が身は留めておいたが、心は送る。山桜…

命令表現を含む歌(1)

春歌中に 花はな散ちらば起おきつゝも見む常つねよりもさやけく照てらせ春はるの夜よの月 (能宣朝臣・万代和歌集・巻第二・春歌下・311) 花が散ってしまうのならば起きたままで見よう、いつもよりも明るく照らせ、春の夜の月よ >能宣集、金葉集初度本・春…

桜と雨と(7)

後朱雀院御時、上の男ども東ひんがし山の花見侍り けるに、雨の降りにければ白河殿にとまりて、 おのおの歌よみ侍りけるによみ侍りける 春雨に散る花見ればかきくらしみぞれし空の心ちこそすれ (大納言長家・千載和歌集・巻第二・春歌下・82) 春の雨に散る…

オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリ わたしが小学生の頃から好きなお花のひとつなのです。 高浜虚子『六百句』より 犬ふぐり星のまたたく如くなり 三月二十七日 玉藻句会。鎌倉笹目谷、星野宅。

春の霞む月(6)

花の下(した)にて月を見てよみける 雲にまがふ花の下にて詠(ながむ)れば朧(おぼろ)に月は見みゆるなりけり (西行・山家集・春・90) 雲に見紛う花の下から眺めると、月は朧げに霞んで見えるものだなぁ >これまでと少し違う趣。 >夜、見上げた桜は雲…

春の霞む月(5)

春月 あかずのみ花の匂ひも深ふかき夜の雲井に霞かすむ春の夜の月 (藤原為家・為家卿集・早卒百首四月当日詠㆑之・656) 飽きることのないほどに花の香りも深い夜の、雲の彼方に霞む春の夜の月だなぁ >「雲井に霞む」にぐっと来ました。 和歌引用 山本啓介…

春の霞む月(4)

春月を 霞めるはつらき物から中々〳〵にあはれ知しらるゝ春の夜よの月 (宗尊親王・瓊玉和歌集・巻第一・春歌上・30) 霞んでいるのは恨めしいものだが、かえって趣深く感じられる春の夜の月だなぁ >今日も今日とて霞みます。 和歌引用 山本啓介・佐藤智広…

たんぽぽ

たんぽぽ 今日はたんぽぽ。ぽぽぽ。 まとまってびよんびよん生えているのも好きだし、 こんな風にひとりでびよんと生えているのも好き。 ぽぽぽ。

春の霞む月(3)

春月 八や重へ霞がすみかすめる空そらに小夜さよふけてそれとばかりの面影おもかげの月 (伏見院・伏見院御集・216) 幾重にも連なる霞で霞む空に夜は更けていき、なんとなく分かるほどの面影の月だ >「それとばかりの面影の月」、良いですね。 >このテー…

道端のチューリップ

道端のチューリップ 素敵ですね、春ですね。 チューリップというと、幼稚園や小学校の花壇に咲いている(植えられている)印象が強いので、なんでもない道端に咲いているものを見つけると心が震えます。 なんとも言えない色がまたかわいらしい。 ほっこり。 …

春の霞む月(2)

我(わが)袖にわきてや月のかすむらん問とはばゝやよその春の習ならひを (幸子内親王・新葉和歌集・巻第一・春歌上・55) 私の袖にとりわけ月が霞んで見えるのだろうか、尋ねてみたいものだ、よその春の習いを >人それぞれ、いろいろな思いで、春の月が霞…

春の霞む月(1)

春月の心を 我(わが)袖に涙もいつか春はるの夜よのかすむを月の習(ならひ)とも見みん (荒木田季長・新葉和歌集・巻第十六・雑歌上・1051) 私の袖が涙で濡れている、いつの間にか春の月が(涙で)霞んで見えるのを(霞むのは)春の月の習性と思って見よ…

桜と雨と(6)

題しらず 今いまはよも枝(えだ)にこもれる花もあらじ木(こ)の芽めはるさめ時を知しる比(ころ) (後醍醐天皇御製・新葉和歌集・巻第二・春歌下・82) 今はまさか枝に籠もっている花もあるまい、木の芽が膨らむ(時期の)春雨によってその時を知る比なの…

桜と雨と(5)

三月つごもり許(ばかり)に、桜さくらの花を、雨の降ふる日、人のもとへ折おりてたてまつる 濡ぬれつゝぞしひて折(をり)つる桜花さくらばな春はいく日かもあらじと思おもへば (在原業平・業平集・5) 雨に濡れながらむやみに折った桜花、春はもうあと何…