命令表現を含む歌(6)

返し
あだなりと何かは嘆く色深くのどけき春の形見とを見よ
(宰相中将・風葉和歌集・巻第二・春下・90)

 

「はかない」とどうして嘆く必要がありましょうか、色深くのどかな春の形見として(桜の花を)見て下さい

 

>以下の歌への返し

男の、桜を一枝おこせて侍りけるに
あだにのみ散りぬべければ桜花風につけても物をこそ思へ
(扇流しの源中納言女・風葉和歌集・巻第二・春下・89)

 

>反語「かは」

>こういう「とを」はあまり見ない気がする…

 

和歌引用

樋口芳麻呂(校注)(1987)『王朝物語秀歌選(上)』岩波書店