2020-04-06 桜と雨と(5) 和歌 三月つごもり許(ばかり)に、桜さくらの花を、雨の降ふる日、人のもとへ折おりてたてまつる 濡ぬれつゝぞしひて折(をり)つる桜花さくらばな春はいく日かもあらじと思おもへば (在原業平・業平集・5) 雨に濡れながらむやみに折った桜花、春はもうあと何日もないだろうと思うので >伊勢物語第80段、『古今和歌集』巻第二・春歌下にも見える歌。 >歌末の「思へば」は「思うので」のニュアンス…? 和歌引用 室城秀之・高野晴代・鈴木宏子(1998)『和歌文学大系18小町集・遍昭集・業平集・素性集・伊勢集・猿丸集』明治書院