桜と雨と(6)

題しらず
いまはよも(えだ)にこもれる花もあらじ(こ)はるさめ時を(ころ)
後醍醐天皇御製・新葉和歌集・巻第二・春歌下・82)

 

今はまさか枝に籠もっている花もあるまい、木の芽が膨らむ(時期の)春雨によってその時を知る比なのだから

 

>「(芽が)張る」と「春」との掛詞。

>この「花」は桜でしょうか?

>魅力的な春の歌が溢れていて、どれを取り上げようか迷っている日々。

 

和歌引用

深津睦夫・君嶋亜紀(2014)『和歌文学大系44新葉和歌集明治書院