「-がほ」を含む歌(14)

あひにあひて物思ふころのわが袖に宿る月さへ濡るる顔なる
(伊勢・古今和歌集・巻第十五・恋歌五・756)

 

私の心によく似て、物思いにふける私の袖に映った月までもが涙に濡れたような顔をしていることよ

 

>「濡るる顔」((9)(2020-05-10)山家集284の歌も)

>「濡るる」+「顔」は「ぬるるかほ」と見るべきか「ぬるるがほ」と見るべきか。(濁点の付与、「顔」の前接要素のこと、接尾辞とは?、などの諸問題についてとりあえずメモ。漆谷広樹(1990)「中古・中世における「~顔(がほ)」の語構成と語法について」『文芸研究』(124),12-21,日本文芸研究会.に詳しい。)

 

和歌引用

小沢正夫・松田成穂(校注・訳)(1994)『新編日本古典文学全集11古今和歌集小学館